診療報酬改定率発表に関する理事会声明

2010年度の診療報酬改定率が発表になった。歯科+2.09%、医科入院+3.01%、医科診療所+0.31%と医科歯科横並びが解消された。10年ぶ りのプラス改定であり、小泉構造改革が行ってきた社会保障費抑制策を止め、新しい方向に転換したという点で新政権の政策を評価したい。

しかし、歯科の改定率は2.09%である。東京の一診療所あたりの平均点数はおよそ25万点であり、改定による収入増は月5千点にしかならない。これで東京の歯科医療崩壊に歯止めがかかるとは思えない。

歯科医療は1人で行えるものでは無いが、今、多くの歯科医はスタッフ雇用に苦しんでいる。10年間続いた医療費抑制のため、スタッフの雇用を含めた経費 の削減で何とか耐えてきたが、その削減も限界を超え結果的にワーキングプアの歯科医師が増大してきている。必要なスタッフを確保し、ワーキングプアを解消 するためには、大幅な改定が必要である。

今回の改定では民主党が言う医療再生の第一歩としては不充分である。このままでは歯科医療の質の低下が危ぶまれる。現場に基づいた改定内容を実施するとともに、医療再生のためのロードマップの設定を要求するものである。