75歳以上2割化、10月から開始 窓口業務に多大な混乱

窓口支払い2倍にショック受ける患者も

 10月1日から開始された75歳以上で一定所得がある患者に対する窓口負担の2割化について、医療機関から困惑の声が上がっている。特に負担増を3千円までに抑制する配慮措置は、患者の負担軽減策ではあるものの、点数が3千点を超えると、それ以降は月の途中から負担割合が変更になるほか、1円単位を端数処理せずに領収する場合があるなど複雑である。会員からは「制度を理解しても窓口負担金で患者さんとトラブルになりそうで怖い」「保険証などの確認事項が多く、時間を費やしてしまう」などの声があり、窓口業務に混乱を及ぼしている。

強まる受診抑制への懸念

 「窓口の支払いが2倍になり、驚く高齢の患者がいる」という声もある。というのも、歯科診療所における年代別の受療率(患者調査日の推計患者数を人口10万対であらわした数)をみると、歯肉炎及び歯周疾患並びに補綴の受療率は、全世代の中で75~84歳の区分が最も高い(図参照)。歯科診療所にとっては、患者の減少は相当な減収になる。
 高齢者の生活も苦しくなっている。年金支給額の減額も行われ、さらに物価高騰が重なって、明らかに歯科受診はしづらくなっている。協会は、今後も75歳以上の負担割合2割化に撤回する運動を続けていく。