パブリック・コメント:「レセプトのオンライン請求の実質的な義務化」について

*たくさんのパブリック・コメントが必要です*

パブリック・コメントの入力はこちらをクリック

3月23日の社会保障審議会医療保険部会において、「オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ案」を厚生労働省(以下、厚労省)が示してから6カ月が経った9月6日、「療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令及び介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令の一部を改正する命令案に関する御意見の募集について」(以下、パブリック・コメント)の募集を開始しました。

概要は、光ディスク(CD-RMO)及び紙媒体によるレセプト請求を続けるためには、いずれの場合も事前に審査支払機関に届け出ることが必要になります。また、光ディスク(CD-RMO)でレセプト請求を継続する場合に限っては、オンライン請求への移行計画(詳細は不明)を求められ、1年毎の更新制になります。また、2024年4月1日以降に新規で開業した場合、紙媒体によるレセプト請求は選択できなくなります。さらに、電子(オンラインやCD-R等)によるレセプト請求から紙媒体によるレセプト請求に変更することもできなくなる。このように請求方法を限ったり、いずれの請求方法を選択するとしても各種手続きが煩雑になることは明らかです。

直近の東京都における歯科医療機関の各種請求方法(レセプト請求形態別の請求状況 社会保険診療報酬支払基金より)をみると、オンライン請求を行っている割合が31.1%、光ディスク等の電子媒体による請求及び紙媒体によるレセプト請求を行っている割合が68.9%です。

レセプト請求形態別の請求状況(令和5年度6月診療分)社会保険診療報酬支払基金より

東京歯科保険医新聞6月号2面に掲載の社保・学術部長談話では、「診療報酬の請求方法を一つに限定する実質的な義務化の強要は、医療機関に混乱を招き、地域医療の崩壊を加速させ、医療提供に影響を及ぼし、患者・国民にも波及しかねない」と警鐘を鳴らしています。

今回、募集を始めたパブリック・コメントは、厚労省に現場の意見を伝えることのできる唯一の場です。実質的なレセプトのオンライン請求義務化の動きに対するパブリック・コメントを是非数多く投稿しましょう。

パブリック・コメントの入力はこちらをクリック

——————–「レセプトのオンライン請求の実質的な義務化」の概要————————————-

(1)レセプトの請求媒体の取扱い

フレキシブルディスク(FD)による請求方法を削除し、CDRMOのみに限る。。

 (2)光ディスク等でレセプト請求をしている医療機関の取扱い

2024年3月31日以前から光ディスク等を用いてレセプト請求を行っている医療機関は、同年9月30日までは光ディスク等を用いてレセプト請求できる。

2024年9月30日以降も光ディスク等を用いてレセプト請求を続ける場合は、オンラインによるレセプト請求へ移行するための計画と光ディスク等を用いてレセプト請求を行うことを事前に審査支払機関に届け出ることにより、1年ごとの更新で光ディスクによるレセプト請求を継続できる。

 (3)紙媒体でレセプト請求をしている医療機関の取扱い

【レセプトコンピューターを使用していない医療機関の取扱い】

2024年3月31日以前から紙媒体を用いてレセプト請求を行っている医療機関は、レセプトコンピューターを使用していない旨を事前に審査支払機関に届け出ることにより、紙媒体のレセプト請求を継続できる。

【高齢の歯科医師が常勤でいる医療機関の取扱い】

2024年3月31日以前から紙媒体を用いてレセプト請求を行っている医療機関であって、常勤の歯科医師が高齢かつ、レセプトコンピューターを使用している場合、当該歯科医師の生年月日が、1946年4月1日以前(概ね77歳)である旨を事前に審査支払機関に届け出ることにより、紙媒体のレセプト請求を継続できる。

 (4)施行日

20244月1日

パブリック・コメントの入力はこちらをクリック