4月改定→6月施行後2カ月/新たな診療報酬の現状
Q 2024年度診療報酬改定に関する問い合わせ状況は?
A 「複雑で理解が困難」との評価である24年度診療報酬改定ですが、7月末で施行から2カ月が経過しました。先生方におかれましては日々の診療、保険請求に問題はないでしょうか。今次改定は、新設項目、施設基準の届出、条件付きの項目、医療DXを推進する項目、そしてベースアップ評価料など、新たに「学ぶ」必要がある項目が多い改定と言えます。協会には、改定に関する会員からの問い合わせが多く、特に5、6月は協会の電話は鳴りっぱなしの日々でした。電話がつながりにくかったため、ご迷惑をおかけした先生にはお詫び申し上げます。
ここで、図1に今次改定を含めた過去3回の改定時における、会員からの保険請求相談の電話件数を示します。18・20・22年度改定は当該年3〜5月、今次24年度は、施行が6月ですから5、6月を集計しました(本稿執筆時点で今次改定7月分は未集計)。18〜22年度の計3回の改定では、18年度が比較的多くの電話相談がありました。18年度改定は、初・再診料に院内感染防止対策の施設基準(注1の届出)の新設など施設基準の新設や再編、口腔機能管理料、小児口腔機能管理料の新設、訪問診療の区分再編などがあったことで問い合わせが増加したと思われます。今次改定と前回の22年度改定を比較すると、施行月の前月で1,027件だったものが、今次改定では3倍以上の3,274件と驚くべき件数でした。施行月では、22年度4月が1,186件に対し、今次改定で2,139件と2倍近くの件数でした。電話対応の増加に対し、事務局は残業時間を増やすなどして対応しました。
Q 施行から2カ月近くが経過して会員の疑問は?
A 毎年開催している地区懇談会があります。24年度は、「複雑すぎる保険改定を学んで、ひとつでも多くの保険算定を目指そう!」と題して、多摩地区、城南地区、城東地区の3地区での開催を企画しました。私が講師を担当した多摩地区は、7月24日に立川市で開催しました。ご参加いただいた先生方に御礼申し上げます。
なお、懇談会は、参加される先生方から「懇談会で聞きたいことはございますか?(3項目まで)」と事前アンケートに回答いただき、ご希望が多い項目について、詳細な解説を行い、疑問があれば直接質問いただく方式です。図2に3地区での事前アンケートの結果を示します。懇談会の題名通り、「増点に繋がりそうな話」が一番多く、次いで「口腔機能管理料」「Ceや根Cに対するフッ化物塗布」に回答が集まりました。そのほかの項目をはじめ、先生方の疑問点はどういったものでしょうか?8月7日の城東地区懇談会は、本ホームページのトップにご案内を掲載しています。ご参加をお待ち申し上げます。
東京歯科保険医協会
会長 坪田有史
(東京歯科保険医新聞2024年8月号掲載)