健康保険証 発行終了「できる状況にない」

健康保険証 発行終了「できる状況にない」

坪田会長ら当選議員らを表敬訪問/歯科医療への理解を深める

11月13日に坪田有史会長、早坂美都副会長が、10月27日に投開票が行われた衆議院議員選挙で当選した東京選出の議員10名と歯科医師の議員2名を表敬訪問した。面会に応じた各議員は「ご期待にそえるようまい進したい」と抱負を語った(左の写真は、今回当選を果たした国民民主党の円より子衆議院議員への要請時のひとコマ)。

 

◆健康保険証の発行終了問題国会での議論を求める

坪田会長は、まず祝辞を贈るとともに、歯科の現状を説明。保団連(全国保険医団体連合会)の調査において、70.1%がオンライン資格確認のトラブルがあったと回答した結果を紹介した。協会には、「『資格情報のお知らせ』『目視確認モード』とは何か」などの相談が多く寄せられていることや、マイナ保険証が使えない、または顔認証や暗証番号認証ができないトラブルへの対応方法が周知されていない問題も指摘。そのうえで、「122日に健康保険証の発行を終了できる状況ではない。立憲民主党は発行終了を延期する法案を衆議院に提出したが、国会で十分議論されることを期待する」と訴えた。

◆歯科問題で交流深める

歯科医師の佐原若子議員(比例・東北)、長谷川嘉一議員(比例・北関東)とは、歯科医療の問題で意見交換。直前まで院長として診療していた佐原議員は「口腔は全身の健康と関連があるが、歯科の点数は低い。医療機器の導入や文書を作成しないと算定できない縛りも多い」と実体験を交え、歯科の低診療報酬の問題などを指摘した。

長谷川議員は「以前は海外技工物の問題が取り沙汰された。歯科技工の現状が気になる」と語った。坪田会長は、協会が歯科技工所アンケートを実施し、保団連の呼びかけで全国調査も行われたことを踏まえ、「厚生労働省は補綴物の点数を引き上げるなどしたが、歯科技工所の状況は依然として厳しい」と伝え、議員も認識を深めた。

◆健康保険証の存続署名1月末までにご返送を

11月28日から1221日まで臨時国会があり、来年1月からは通常国会が開催される。「現行の健康保険証を残してください」請願署名は各国会で提出予定であり、来年131日までに協会へ送付いただきたい。

また、歯科医療の充実を求める署名も今後実施を予定している。協会は引き続き現場の声を国会議員や行政に伝えていく。