改定評価 70%が「悪かった」/速報 歯科会員アンケート

改定評価 70%が「悪かった」/速報 歯科会員アンケート

昨年11520日に実施した2024年度診療報酬改定の影響などを調査するための「歯科会員アンケート」に当会会員273名から回答が寄せられた。ここでは、その一部を速報として以下にご紹介する。

この調査は全国で行われ、寄せられた意見や要望は、行政、国会議員への要請やマスコミ発表など、歯科医療改善を求める取り組みに活用される。

今回の改定の評価について、「良かった」「どちらかと言えば良かった」は合計でも26.8%にとどまり、「どちらかと言えば悪かった」「悪かった」を合わせると70.3%と、多くの会員が評価していないことが明らかになった。

その中でも、歯科医院経営への影響の観点からプラスの影響が出ると思う項目(図1)で、もっとも多い回答は「プラスの影響はほとんどない」が50.2%であった。2番目は「初・再診料の引き上げ」が40.3%、3番目は同率で「CAD/CAM冠・インレーの適用拡大」と「ブリッジ支台歯の前装MCが5番まで適用」が27.8%と続いた。

マイナスの影響が出ると思う項目(図2)は、「施設基準の複雑化」が65.6%でもっとも多くなった。外来環が外感染、外安全に再編されたこと、か強診が口管強へ改変されて、研修要件などが変更されるなど、両項目ともみなし期間内(今年5月末まで)に再届出が必要となる。複雑な取り扱いでわかりにくく、今なお混乱を来している。次いで、「補管の対象から金属冠(単冠)が外されたこと」が38.8%となり、補管についての評価は分かれている。3番目は「ブリッジ支台歯の4番、5番の前装MCの形成料の引き下げ」が34.4%と続いた。

医院経営の改善のために、国の制度として必要な方策については、「診療報酬の引き上げ」が89.7%となった。やはり低歯科診療報酬の中での点数の組み換えではなく、診療報酬の総枠を拡大し、歯科診療報酬の大幅な引き上げが必要であることが明らかとなった。

今回の結果は、次期診療報酬改定の改善に向けて重要な結果であり、歯科開業医の意見として厚生労働省に届けていく。