「会員の意識と実態調査」の特徴点:52% 経営「苦しくなった」/今次改定には53%が「不満」覚える

昨年10月に実施した「会員の意識と実態調査」は、1,658人の会員から回答が寄せられた。会員のおよそ4分の1以上が、このアンケートに回答したことになる。その内訳は開業医が1,519人、勤務医が120人、不明が19人だった。2024121日現在、都内の歯科医療機関数は10,416施設であり、都内で開業する歯科医師の約15%が本アンケートに回答している。

本号ではアンケート結果から一部特徴点を紹介する。回答者の属性(性別、年齢、開業地など)によっては傾向に差があるため、より詳細な分析や考察を加えた報告については、本紙2月号に掲載する予定である。

◆医業経営「苦しくなった」52%

世界各地の紛争などにより、21年頃から続いている光熱費・物価の高騰。長引く景気低迷、さらに財務省が主導する増税政策が、国民生活をより厳しいものにしている。

現在の医業経営が以前と比べてどのように感じたのかに関する質問では、「苦しくなった」が52.1%となった。一方で、「楽になった」がわずか5.1%にとどまっている(1参照)。

また、24年7 月は、診療報酬改定後であるにもかかわらず、前年同月比で保険収入は「減少した」が42.4%であった(2参照)。保険収入が減少した理由は「患者の減少」が80.1%であった(3参照)。

 

さらに、23年度と比較すると、医院における1日あたりの患者数は、「減少した」が45.2%であった。

医業経営については、保険収入が減少したことや患者数の減少などから、厳しい医療機関が多数存在することが判明した。また「ベースアップ評価料Ⅰ」は、ほとんど算定されていない。今後、本調査結果については、より詳細な分析を行っていく。

なお、この「会員の意識と実態調査」における患者数や経営状況の経年変化については、このホームページの「コラム・インタビュー」コーナーと「協会ニュース」コーナー、および機関紙「東京歯科保険医新聞」202511日号8 面の「教えて! 会長!! No.90 」でも触れているので、ぜひご参照いただきたい。