2024年度会員の意識と実態調査

2024年度会員の意識と実態調査

◆目  的実態調査は5年に一度、会員の経営実態の把握と意識を明らかにし、協会活動の基礎資料とすることを目的として協会が実施。

◆実施方法以下の通り。

①調査対象 東京歯科保険医協会会員(賛助会員除く)6,014  2024930日時点

②調査地区 東京23区・26市・5町・8村の計62地区

③調査方法 調査方法は郵送で調査票を配布し、郵送による返信

④調査期間 202410月1日~ 1031

◆回答状況有効回答数 1,658件、回収率27.57

※前回調査(2019年7~8月) 有効回答数1,002件 回収率17.3

注)数値については小数点第2位以下を非表示にしており、合計しても100%にならない場合があります。

≪調査結果概要≫

1、年代

今回の回答者を年代別に見ると、2019年と比較して「30歳代」(5.4%)は3.3ポイント、「40歳代」(20.2%)は10.7ポイント、「50歳代」(30.7%)は1.2ポイント減少した。その一方で、「60歳代」(30.8%)は9.1ポイント、「70歳代以上」(12.4%)は6.7ポイント増加した。

2、ユニット台数と地域差

ユニットの台数(図1)は、「4台」「5台」「6台以上」を合わせると、23.1%(09年)、24.7%(14年)、29.2%(19年)、31.9%(24年)と、調査の度に増加している。「6台以上」と回答している人の地域を調べると「多摩地区」(13.1%)、「城東地区」(10.2%)、「城北地区」(9.7%)が多かった。また、常勤歯科医師数を見ると、「5人以上」と回答した割合が「多摩地区」(7.9%)、「城東地区」(7.4%)、「城北地区」(5.6%)で多く、1カ月あたりの総点数についても「50万点以上」との回答した割合が「多摩地区」(21.7%)、「城東地区」(15.6%)、「城北地区」(19.0%)で高くなっていた。

3、展望、子どもの将来

歯科医療の将来展望については、19年より「明るい」(26.8%)は9.4ポイント増加したが、同様に「暗い」(46.7%)も7.8ポイント増加した。なお、「明るい」という回答は、09年から調査を行うごとに増加している。

また、子どもを将来歯科医師にしようと思うかについて(図2)は、「思う」(9.5%)よりも「思わない」(22.9%)が多かった。さらに、年代別で見ると、子どもを歯科医師にしたいと「思う」と回答したのは40歳代(15.5%)が最も多く、60歳代(4.7%)が最も少なかった。

4、診療報酬改定の評価

診療報酬改定の評価(図3)は、19年と比較して満足しているとの回答(「大いに満足」「満足」の合計)は7.1ポイント減少した。同じく不満との回答(「大いに不満」「不満」の合計)も23.6ポイント減少した。満足しているとの回答(3.5%)は09年以降では今回が最も少ない。一方で「どちらでもない」(41.5%)は09年以降では最も多く、診療報酬改定が複雑で難解な内容であったことにより、評価できないとの回答が多くなったと考えられる。

年代別(図4)で見ると、診療報酬改定の評価について2030歳代を中心に「どちらでもない」という回答が多くを占めているが、全年代で評価について「大いに満足」「満足」はわずかで、それよりも「大いに不満」「不満」の割合が多かった。

また、不満と回答した理由を年代別に見ると、「算定しても割に合わない」「内容が複雑すぎる」「収入が増える気がしない」が理由の上位に挙がっており、特に「内容が複雑すぎる」は全年代で高い数値を示した。

5、歯周病安定期治療(SPT

歯周病安定期治療(SPT)を算定しているか否かについて(図5)は、19年と比べて「全レセプト枚数の150%未満」(50.0%)は17.4ポイント、「SPTが何か分からない」(2.1%)は0.6ポイント増加した。一方で、「算定していない」(42.3%)は18.6ポイント減少した。

特に「算定していない」(42.3%)は14年以降で最も少なく、算定しているとの回答(「1 50%未満」「50%以上」の合計)は14年以降では最も多かった。算定要件の緩和などにより、算定する医療機関が増加していることが明らかになった。また、年代別に見ると、50歳代・60歳代・70歳以上は「算定していない」との回答が多い。20歳代・30歳代・40歳代はSPTの算定が多かった。