高額療養費制度問題患者を守れ/「生きることを諦めることに」

高額療養費制度問題患者を守れ/「生きることを諦めることに」

「薬をやめたら、生きることを諦めることになる」「一生懸命に闘病し、生きようとしている人たちの望みを切り捨てるようなやり方だ」―。

3月13日、国会議事堂前に集まった患者らが、高額療養費制度の負担限度額引き上げの問題について強く訴えた。

この日、全国保険医団体連合会(保団連)が開いた国会前集会には約150人が集まり、医師・歯科医師のほか、患者や駆け付けた国会議員が声を上げた。

◆「貯金切り崩し、治療と生活」

がんで7年間闘病している水戸部裕子氏は、「治療のために働く時間を削り、しかも十分に働けない。そんな方はたくさんいます」と患者の苦労を明かし、「このままでは若い人たちが希望を失ってしまいます」と、負担限度額の引き上げに反対する意見を述べた。また、別の患者は「薬の副作用のために仕事を辞め、アルバイトをして貯金を切り崩しながら、治療と生活を成り立たせています」と話し、引き上げの白紙撤回を求めた。

また、国会議員からは「見送るということは復活があり得る。絶対に白紙撤回させていかなければならない」「多くの方から高額「療養費の問題についてお声をいただいている。皆さんと力を合わせて白紙撤回を求めていきたい」などの発言があった。

最後には保団連の森元主税副会長(当協会理事)を中心に、国会議事堂に向かって参加者でシュプレヒコールを行った。

◆高額療養費問題協会は首相らに要請書

高額療養費制度の上限額引き上げを巡っては、2025年度政府予算案に盛り込まれ、一時、258月から所得区分に応じて上限額が引き上げられることが決まっていた。しかし、患者団体などからの反発を受水戸部裕子氏け、37日に石破茂首相が引き上げ見送りの方針を発表した。

なお、この問題に関連して、協会は213日付けで石破首相、福岡資麿厚生労働大臣宛に要請書「高額療養費制度の見直しは『一部修正』ではなく撤回を」を提出していた。