かかりつけ歯科医に関し意見や指摘も相次ぐ/中医協総会で
厚生労働省の中央社会保険医療協議会(田辺国昭会長)の総会(第352回)が本日5月31日、同省2階講堂で開催された。
今回は、2016年度診療報酬改定に関する「診療報酬改定結果検証部会」からの報告と歯科医療をめぐる報告が行われた。歯科に関しては、①歯科医療を取り巻く現状、②地域包括ケアシステムの構築推進、③口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応―について事務局側から説明が行われた。その中では、人口10万対歯科医歯数の経年的推移、国民医療費に占める歯科医療費の推移、最近の高齢者の在宅医療の状況などが報告、説明された。
続けて、病院が増えると病院内に歯科を設置する病院も増えるのではないか、との意見も提起され、病院内の歯科と他の診療科との連携が図られる可能性や、病院歯科と院外の歯科との連携が進む可能性が示唆された。
また、地域包括ケアシステムの報告に入るところで「かかりつけ歯科医」に議論が集まった。医院の間からは、「いつも行っている歯科医とかかりつけ歯科医との違いについての整理が十分とは言えない点や、かかりつけ歯科医機能強化型診療所の施設基準を設けることの必要性をとう意見などが提起された。さらに、「か強診をつくることには、最初から反対だった」といった意見や、か強診を作った後から後付けのように議論することへの不満を示唆する意見が続いた。
なお、「地域包括ケアシステムの推進」の課題そのものに関しては、①2016年度新設の「かかりつけ歯科医機構強化型歯科診療所」においては、それ以外の歯科診療所よりも地域の在宅医療・介護を担う施設等と連携を行っている割合が高かった、②周術期口腔機能管理は、病院併設の歯科を中心に算定され、全体の約3割が実施しているが、300以上の病院の約半数で実施されている、③2016年度新設の歯科医師連携加算(栄養サポートチーム加算)については、栄養サポートチーム加算を算定している病院の約3割が算定されていた、④歯科診療外来環境体制加算の施設基準の届出は年々増加し、2015年で全体の約16%―などが提起されている。
そのほか、去る5月22日に開催された第4回「歯科医師の資質向上等に関する検討会」(江藤一洋座長)での議論内容も紹介された。