歯科医師資質向上検討会が第5回会合開催/歯科保健医療ビジョンに盛り込む論点で協議・検討

歯科医師資質向上検討会が第5回会合開催/歯科保健医療ビジョンに盛り込む論点で協議・検討

厚生労働省は7月12日、「歯科医師資質向上等に関する検討会」(座長:江藤一洋医療系大学間共用試験実施機構副理事長)の第5回会合を開催した。

今回のテーマは「医科歯科連携の推進」についてで、参考人として髙久史麿氏(地域医療振興協会会長・自治医大名誉学長)、川越正平氏(あおぞら診療所長)、小松本悟氏(足利赤十字病院長)の3氏が招聘され報告を受けた。

厚労省側から、「歯科保健医療ビジョン」策定に向けての主な論点が示され、「今後の歯科保健医療の需要」をめぐってライフステージと医療提供施設の各サイドからの需要に関する論点整理が行われ、紹介された。

次に、「あるべき歯科保健医療の提供体制」をめぐっては①かかりつけ歯科医の役割・機能、②あるべき歯科医師像、が取り上げられ、「具体的な医科歯科連携方策や歯科疾患予防策」について、これまで行ってきた協議・検討の論点整理が報告され、併せて参考人の報告を受けた。特に髙久氏は、「歯周病と生活習慣病の関係」を報告し、「口腔細菌が係る心血管障害」「骨粗鬆症と歯周病」「肺炎と歯周病」などについて報告したほか、法制度化について注目されている喫煙影響問題に言及し、糖尿病、肥満、高脂血症、早期低体重などとの関係について報告した。

ただ、委員の中からは医科では医科歯科連携の認識が十分とはいえない点が指摘され、参考人から医科サイドの原因として、医学部では歯科のことは学ばないこと、口腔機能のを軽視していたこと、病院では歯科は必要ないとの感覚があったこと、などが挙げられた。

その他にもかなり熱のこもった議論が展開されたが、それらを取りまとめる形で座長の江藤氏が「歯科保健医療ビジョン」に今回の意見盛り込みや、「医療計画」の中に医科歯科連携の必要性を明記することに努力することを約束した。