2022年度厚労省予算概算要求案がまとまる/歯科保健課は「歯科口腔保健・歯科保健医療提供体制の推進」などを要求
厚生労働省は8月31日、財務省に対し「2022年度予算概算要求案」を提出した。それによると、その概算要求額は、一般会計は前年度当初予算比8,070億円増の33兆9,450億円となり、過去最大の要求案となっている。その中で、年金・医療等に係る経費が31兆7,791億円となっている。
概算要求案の柱は、①新型コロナの経験を踏まえた柔軟で強靱な保健・医療・介護の構築、②ポストコロナに向けた「成長と雇用の好循環」の実現、③⼦どもを産み育てやすい社会の実現、④安心して暮らせる社会の構築―の4本となっている。
◆主な歯科保健関連政策
概算要求案のうち歯科保健行政をつかさどる医政局の要求額は2362億2400万円(対前年度当初予算比122億7500万円増)となっている。
その中で、歯科保健課関連の要求内容を見ると、「歯科口腔保健・歯科保健医療提供体制の推進」に18億9800万円を要求しているほか、「歯周病予防に関する実証事業」に9600万円を要求している。ともに継続事業だ。
そのうち、歯科口腔保健・歯科保健医療提供体制の推進」は、「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」中間評価報告書(平成30年9月)を踏まえ、地域の実情に応じた歯科口腔保健施策をさらに推進するため、自治体における歯科疾患の予防及び歯科口腔保健の推進体制の強化等の取組を支援するとともに、今後の歯科口腔保健施策の検討に必要な歯科保健状況を把握するための調査を実施することとしている。
また、「歯科保健医療ビジョン」や新型コロナウイルス感染症への対応等も踏まえた各地域での施策が実効的に進められるよう、これまで収集・分析をして蓄積してきた好事例を各地域で展開することにより、歯科保健医療提供体制の構築に向けて取り組む。あわせて、歯科専門職間の連携を進め、より質の高い歯科医療を提供する観点から、歯科衛生士・歯科技工士を確保するため、離職防止・復職支援のために必要な経費を支援するというもの。
それら推進のため、8020運動・口腔保健推進事業、歯科疾患実態調査、歯科医療提供体制構築推進事業、OSCEの在り方・評価者養成に係る調査・実証事業、歯科衛生士の人材確保推進事業、歯科技工士の人材確保対策事業、歯科医療関係者感染症予防講習会―2021年度に引き続き継続実施する計画だ。