先日、「歯科医師によるワクチン接種業務」に従事しましたので報告いたします。参加したのは都内の職域接種で、モデルナワクチン2回目接種でした。
◆協会の筋肉内注射実技研修
協会主催の「新型コロナウイルスワクチン接種のための筋肉内注射実技研修」および「三角筋の詳細解剖解説による正しい筋肉注射と迷走神経反射対策」(講師は、いつき会ハートクリニック院長の佐藤一樹先生)に参加。研修と実習で三角筋ワクチン接種への理解が一層深まりました。
講義内容を反復し、さらに理解を深め、教わったことを現場で確実に実行することに努めた。お嫁にいき、2人のチビちゃんを子育て中の我が娘でリハーサル。上腕部筋肉が母親らしく大変立派にたくましくなっていることを見た時、とても嬉しい気持ちになりました。
◆接種業務当日の模様
午前9時半から医療従事者のミーティング開始。モデルナワクチン異物混入の質問があった場合の対応など。業務時間は、午前10時から午後5時30分まで。昼休みは1時間。
被接種者の問診表のチェック、年齢(モデルナは18歳以上) 、右腕接種か左腕接種かをRあるいはLで記載。注射針が抜けやすいので必ず押し込み、保護キャップは右手だけで外せるよう、あらかじめ緩めておきます。被接種者に挨拶とともに、「肩を出して筋肉を確認しますね」と声をかけ、手首に軽く触れ腕を45度外転させます。視診、必要であれば触診を行って三角筋を正確に確認し、その中心で筋肉が一番厚い場所を接種位置とします。私の三横指は約4・5センチなので肩峰から1センチ下から三横指が接種位置と重なります。被接種者の腕は重力に任せて落下させ三角筋を脱力させる。接種位置を中央にして、左手の親指と人差し指薬指で逆Ⅴ字を作ります。右手だけで保護キャップを外し、ペンホールドで表皮に対し90度の角度で、太さ25G、長さ25ミリの針を根元まで穿刺します。痺れがないこと、および注射器の固定を確認し、ゆっくりと最後までしっかり左手の親指でワクチン0・5ccを注入します。抜針後、すぐ針捨てボックスに注射器を捨てる。接種後は、「2回目が無事に終わって本当によかったですね」と声かけを行い、たくさんの笑顔に接することができました。
私が担当した接種ブース(歯科医師1名・看護師1名)の接種人数は150名弱。廃棄ワクチン(注射器の落下、ワクチンの液漏れなど)なし、迷走神経反射なしでした。ペアの看護師さんにも恵まれ、終始和やかに笑い溢れる接種ブースで気持ちよく業務することができました。
◆日本でのワクチン接種の現況
欧米に遅れをとった日本のワクチン接種ですが、9月末には2回目接種終了者が全人口の6割弱になるようです。菅義偉総理の功績はもちろんですが、全国の医療従事者の献身的な働きに加え、日本国民の真面目さと優れた協調性が現在の状況を作り出だしたと考えています。
◆平和な日々が戻ることを…
1年9カ月におよぶ、この災害。早く平和な日々が戻ることを、切に願っています。(木下 優/品川区開業)