診療報酬改定本体は0.43%引き上げに/2022年度診療報酬改定率が決まる

12月22日、後藤茂之厚生労働大臣、鈴木俊一財務大臣の折衝により、2022年度診療報酬改定について、診療報酬本体をプラス0.43%(国費300億円程度)、薬価をマイナス1.35%(同マイナス1600億円程度)、材料価格をマイナス0.02%(同20億円程度)とすることが決定された。この数値は1224日の中医協総会にも報告されている。

また、一定所得がある75歳以上の患者窓口負担の2割引き上げを2022101日から施行することも決めている。

改定率についての詳細は、以下の通り。

1.診療報酬 +0.43%

 ※1 うち、2~5を除く改定分 +0.23%

 各科改定率 医科 +0.26%

       歯科 +0.29%

       調剤 +0.08%

※2 うち、看護の処遇改善のための特例的な対応 +0.20%

※3 うち、リフィル処方箋(反復利用できる処方箋)の導入・活用促進による効率化

  ▲0.10%(症状が安定している患者について、医師の処方により、医療機関に行かずとも、医師及び薬剤師の適切な連携の下、一定期間内に処方箋を反復利用できる、分割調剤とは異なる実効的な方策を導入することにより、再診の効率化につなげ、その効果について検証を行う)

※4 うち、不妊治療の保険適用のための特例的な対応+0.20%

※5 うち、小児の感染防止対策に係る加算措置(医科分)の期限到来0.10%

なお、歯科・調剤分については、感染防止等の必要な対応に充てるものとする。

 

2.薬価等

① 薬価1.35%

1 うち、実勢価等改定1.44%

2 うち、不妊治療の保険適用のための特例的な対応+0.09%

② 材料価格0.02%

なお、上記のほか、新型コロナ感染拡大により明らかになった課題等に対応するため、良質な医療を効率的に提供する体制の整備等の観点から、次の項目について、中央社会保険医療協議会での議論も踏まえて、改革を着実に進める。

・医療機能の分化・強化、連携の推進に向けた、提供されている医療機能や患者像の実態に即し       た、看護配置7対1の入院基本料を含む入院医療の評価の適正化・ 在院日数を含めた医療の標準化に向けた、DPC制度の算定方法の見直し等の更なる包括払いの推進・ 医師の働き方改革に係る診療報酬上の措置について実効的な仕組みとなるよう見直し

・外来医療の機能分化・連携に向けた、かかりつけ医機能に係る診療報酬上の措置の実態に即した適切な見直し

・費用対効果を踏まえた後発医薬品の調剤体制に係る評価の見直し

・薬局の収益状況、経営の効率性等も踏まえた多店舗を有する薬局等の評価の適正化

・OTC類似医薬品等の既収載の医薬品の保険給付範囲の見直しなど、薬剤給付の適正化の観点からの湿布薬の処方の適正化