厚生労働省は、「2022年(令和4年)社会医療診療行為別統計」(以下、「行為別統計」)の概況を公表した。この統計は、全国の保険医療機関および保険薬局から社会保険診療報酬支払基金および国民健康保険団体連合会に提出され、22年6月審査分として審査決定された医療保険制度の診療報酬明細書および調剤報酬明細書のうち、「レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB=National Databaseの略)」に蓄積されるものすべてを集計対象としている。
対象となった歯科の件数は全国で18,902,659件。歯科の1件当たり点数は 1,278.3 点(対前年0.5%増) 、1日当たり点数は 796.3 点(同 2.3%増)となった。また前年21年と比べて、最も大きい減少幅は初診・再診が▲5%減、処置が▲4%減であった。一方で、21年と比べて最も大きい増加幅は検査が19%増、画像診断5%増であった。
国民の口腔状態が改善され、治療の中心が補綴治療から、歯周治療や口腔の維持管理の治療へと治療内容のシフトが続いている。とくに高齢化に伴い歯科診療所へ通院ができない患者が増えている。今後もこの傾向は継続していくと考えられる。
2001年6月診療分と21年後の2022年6月診療分の構成割合を比較したところ、01年には歯冠修復及び欠損補綴(有床義歯および有床義歯以外の合計)は、全体の51.6%を占めていたが、22年には31.9%(21年32.4%)と減少した。
01年と比べて、最も大きい減少幅は有床義歯が▲51%減、次いで有床義歯以外が▲34%減であった。一方で01年と比べて、最も大きい増加幅は在宅医療が700%増、医学管理等(指導管理料)104%増であった。
|
2001 |
2006 |
2011 |
2016 |
2021 |
2022 |
初診・再診 |
11.5 |
11.7 |
12.6 |
12.8 |
13.1 |
12.5 |
医学管理等(指導管理料) |
7.1 |
10.1 |
12.9 |
10.4 |
14 |
14.5 |
在宅医療 |
0.4 |
0.7 |
2.1 |
2.7 |
3.1 |
3.2 |
検査 |
4.7 |
6.2 |
6.5 |
6.6 |
6.2 |
7.4 |
画像診断 |
3.1 |
3.7 |
3.7 |
4.1 |
4.1 |
4.3 |
処置 |
15 |
15.8 |
16.5 |
19.1 |
20.5 |
19.6 |
手術 |
3.8 |
3.3 |
3 |
2.8 |
2.6 |
2.6 |
有床義歯 |
12.5 |
12.5 |
9.2 |
7.7 |
6 |
6.1 |
有床義歯以外 |
39.1 |
33.1 |
30.6 |
29.5 |
26.4 |
25.8 |
その他の行為 |
2.8 |
2.8 |
2.9 |
4.1 |
3.9 |
4 |