財務省人事異動は過去になく厚労省を意識/社会保障関連予算を巧妙に抑制か

財務省人事異動は過去になく厚労省を意識/社会保障関連予算を巧妙に抑制か

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財務省外観

民主党が政権時代、初めて行われた「事業仕分け」の際、会場の新宿区四ツ谷の体育館内をスリッパを履きペタペタと歩いている財務省幹部が目を引いた。厚生労働省担当の財務省主計局主計官の可部哲夫氏であった。厚労省の予算概算要求を最終的に吟味・査定するポストの人物である。その後、加部氏は財務省大臣官房総合政策課課長に就任していた。

 

 

 

 

 

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内閣府外観

この加部氏が今月8月1日の人事異動で、新たに内閣官房審議官に就任した。しかし、これまでの人事の慣例からすると、主計局次長に就任し、順当に主計局長へ就任するはずである。このような異例の人事異動が発令された背景には、木下康司次官の勇退と後任には香川俊介主計局長の次官就任。さらに主税局の田中一穂局長誕生も次官ポストを意識したものとされ、財務省内の「同期から次官は一人とする」という暗黙のルールによるとものとされている。

 

 

 

また、今回の異動で、厚労省担当の主計局主計官から同局総務課長に就任した新川浩嗣氏も主計局コースを順調に進んでいるとみられている。

財務省の人事異動の中で、厚労省との関係が意識されていると思われる中身は、過去においてもおそらくなく、今月中に各省庁の来年度予算概算要求案、来年度税制改正案が取りまとめられるが、厚労省が財務省のコントロールをかなり受け、社会保障関連予算を巧妙に操作し、抑制して来るのではないかが懸念される。