歯科では口腔疾患の重症化予防や口腔機能低下対応など重点に/社保審医療保険部会

歯科では口腔疾患の重症化予防や口腔機能低下対応など重点に/社保審医療保険部会

平成28年度診療報酬改定基本方針を決定

 

11月20日、千代田区平河町の全国都市会館で社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)が開催され、平成28年度診療報酬改定の基本方針案が提示され、一部修正のうえ了承された。基本方針の柱は、①改定の基本認識、②改定の基本的視点と具体的方向性、③将来を見据えた課題―の3本で、それぞれについて詳細に触れている。

◆「治す医療から治し、支える医療への転換」を強調

これらのうち、まず①について基本方針では「高齢化の進展に伴い疾病構造が変化していく中で、“治す医療”から“治し、支える医療”への転換が必要」とし、さらに「人口の減少傾向や現下の人材不足の状況に鑑み、医療従事者の確保・定着に向けて、地域医療介護の総合確保基金による対応と役割分担を踏まえつつ、医療従事者の負担軽減など診療報酬改上の措置を検討していくことが必要」としているが、これについては特に「予防・管理という文言を加えるべき」との指摘があったという。

◆かかりつけ歯科医機能が俎上に

また、②に関しては課題として、「チーム医療の評価、勤務環境の改善、業務効率化の取組等を推進し、医療従事者の負担軽減を図る」とし、さらに「かかりつけ医・かかりつけ歯科医の機能強化」も提起している。委員の中からは、「個別の疾患だけでなく患者に応じた診療が行なわれるよう、かかりつけ医、かかりつけ歯科医の機能を評価すべき」との意見も出ている。

協会ではすでに本年2月頃から理事会、政策委員会、社保・学術部会、政策学習会などで繰り返し「かかりつけ歯科医」「かかりつけ歯科医機能」について協議・検討を加えてきたが、ここにきて、ようやくこの問題が社保審医療保険部会でも本格的な議論が始まった感が否めない。

◆歯科衛生士活用の必要性も示唆

そのほか、歯科については、「口腔疾患、の重視化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進」が明記されており、歯科医師のみにとどまらず、歯科衛生士の活用をも示唆する内容となっている。