歯科医師1人あたり患者数として14.1人/歯科医師需給問題WGを開催

歯科医師1人あたり患者数として14.1人/歯科医師需給問題WGを開催

―メンバーに山科日歯会長も加わる

厚生労働省の「歯科医師の資質向上に関する検討会」の「歯科医師の需給問題に関するワーキンググループ」(座長:森田朗国立社会保障・人口問題研究所所長)の第3回会合が11月18日、同省内会議室で開催された。メンバー交替があり日歯から、山科透会長、小枝義典常務理事が出席した。

◆全身管理のできる歯科医師要請の必要性でも発現

議論のたたき台として、国立保健医療科学院上席主任研究員の安藤雄一氏が需要推計結果資料を提示し説明を加え、「需要推計は上方修正し、供給推計は下方修正された。その理由は、需要は近年の患者数増加、供給は歯科医師国家試験合格者数減少の要因による影響が考えられた」と、今回の推計調査の特徴を報告。さらに、「歯科診療所に従事する歯科医師1人あたり患者数として14.1人」と報告したことから、この数字も大きな議論を巻き起こした。日医の山科会長もこの14.1人に対して、「少し違和感があるが、これが20人だとどうなのか。あくまで所要の数字を基にしたものだと思うが」と指摘。また、大阪歯科大学長の川添尭彬氏は「数字だけの議論になっている。学生・歯科医師の問題を考えることが大事。卒業生の数が云々という話に懸念をもつ」と発言した。さらに、日歯大生命歯学部長の羽村章氏が「これからの社会のニーズに応えられて歯科医師の養成が問わる。議論の参考に安藤委員から提示した数字は大事」とした。そのほか、広島大学大学院医歯薬保健学研究院歯周病態学教授の栗原英見氏は「歯科疾患のほか全身管理ができる歯科医師をどう育てるか、大学としては腐心している」と発言した。

最後に森田朗座長(国立社会保障・人口問題研究所所長)が日本の人口は減少傾向にあることに念を押し、「これを前提で議論を」と基本認識を改めて確認した。