有給休暇の計画年休取得について/機関紙2015年11月1日号(№548号)より 

有給休暇の計画年休取得について/機関紙2015年11月1日号(№548号)より 

質問① 質 問 夏期休暇や年末年始に対応するため「計画年休(※注)」制度を導入している。先日、従業員から乳幼児が病気やケガをした際に備えて、有給休暇の取得日はすべて自分で決めたいとの申し出があった。どのように対応すべきか。

回答① 計画年休は、年休消化率を高めることや、計画的な事業運営を可能にすることなどを目的として導入されたものですが、反面、年休の付与日があらかじめ決まっていることから不都合が生じる場合があります。今回のように乳幼児を保育園などに預けて働いている従業員などは、特に子どもが病気したときなどに備えて年休をとっておきたいなどの事情があると思います。そこで、厚生労働省は、特別の事情があって年休の計画付与が適当でない労働者については、計画付与の対象から除外するなどの配慮を求める通達を出しています。また、2005年4月より看護休暇制度が導入され、小学校入学前の子どもをもつ親は、有給休暇とは別に、子どもの看護休暇として1年に5日間利用できる制度もあります。この看護休暇は子どもの病気やケガは突発的に発生することから、業務の運営が妨げられるからといって、日程の変更を求めることはできません。ただし、この休暇を有給とするか無給とするかの法的定めはありませんので、従業員の合意を得た上で就業規則で定めるか、あるいは、話し合いによって定めたのかを、文書で残すことが必要です。これらの制度と併用して対応を検討してみてはいかがでしょうか。

(※注)年次有給休暇の5日を超える部分については、労使協定により事業所全体で一斉に有給休暇を取得する等の計画的付与ができます(労働基準法第39条第5項)。